第13章 一進一退
もちろん主人公はローの側にいられるのなら、こんなに嬉しい事はない
海賊になるのか、と言われたら即答はできないけれど、彼等の役に立つなら下働きだって何だってやるつもりだ
しかし、ローにそんなつもりはなかったのかもしれない
ローは単に、海軍に目をつけられた主人公をほおっておけなかっただけ
彼は『奪いに来た』とは言ったが、『仲間にする』とはひと言だって言ってないのだから、、、
今のローの態度を見たら明白だ
―――やはり昨夜の事は、、、
考えたくなかった可能性に、主人公は俯いた
昨夜、ローは優しく主人公を抱いてくれた
主人公にとっては夢のような時間だった
ローと身体だけではなく、心まで触れ合えたかのような、、、そんな錯覚さえした
しかし、ローにとってはどうだろうか?
彼からしたら浅ましい女の願いを叶えただけの行為に過ぎなかったのではないだろうか
『恋人のように抱いてほしい』そう言ったのは、主人公自身だ
ローはそれに応えただけ
ローは今頃、後悔してるのかもしれない
主人公を抱いた事も、主人公を助けに来た事も
そう考えたらローの態度も納得できる
どうやらローが追いかけてきてくれた事に浮かれてしまっていたらしい
主人公は自分を戒めた
黙り込んだ主人公を見て、ベポが心配そうな声を上げる
「どうしたの主人公?」
察したようにシャチが言った
「俺達は席を外すからさ。ちゃんとキャプテンと話したほうがいいぜ。」
「え?、、」
「だな。」
話せって何を?と主人公が言う間もなく、シャチとペンギンは、なに?どうしたの?と不思議がるベポを連れて、さっさと船内に入ってしまう
去り際にペンギンが、ニヤリと笑って小声で言った
「ああ見えてキャプテン、すっげぇ心配してたんだぜ。」