第13章 一進一退
「もし、無理矢理に連れていかれたとしても、きっと私は逃げます。何度でも逃げます。だから、、、」
この場で自分自身の命を懸け、海兵達を退ける事だってできたかもしれない
争いごとの種である、自分がいなくなれば良いだけなのだから、、、
以前の主人公なら、喜んでそうしていただろう
でも、それでは駄目だ
駄目なのだ
背中に感じるローの存在
たったひとつの思いだけが、主人公を突き動かしていた
ぐっと奥歯を噛みしめ、一歩前に踏み出す
「だから、、、どうか引いてください!私をこのままほおっておいて!」
主人公は声を張り上げた
命令を受けた海軍相手に、何を甘い事を言ってるのだとはわかっている
けれど、諦めたくはなかった
ロー達がくれたチャンスを、そして自分で選んだ未来を、、、
そんな主人公を見て、モモンガ中将はしばし黙った
まるで何かを思案するように目を細めた後、わずかに見せたためらいを振り払うように彼は言った
「、、、貴女の気持ちは、よくわかりました。しかし、貴女はあの島にも戻ることもできなければ、どこかの地で平穏に暮らす事も難しいでしょう。なぜなら、上層部は決して貴女を諦めない。きっとこの先、貴女は追われることとなる。」
「どうして?どうして、そこまで私を??私に一体、何があると言うんですか!?」
「、、、、、、、。」
主人公の問いかけに、モモンガ中将はこれ以上は答えられぬとばかりに、唇を引き結んだ
感じていた違和感は、もはや恐怖に近かった
どうして海軍が、そこまで主人公にこだわるのかがわからない
単なる海軍からの引き抜きではない事は、もはや明白だ
主人公はただの医師であって、特別な存在などではないのに、、、