第12章 矛盾
『お前を攫いに来た!』
その言葉に主人公は目を見開いた
思考が停止する
「お前が決めろ!このまま海軍の犬になるのか、それとも、、、」
息を飲んで見守る主人公に、ローはこちらを強く見据えてはっきりと言った
「俺に奪われるのか!」
「嘘でしょう、、、。」
思わず掠れた声が漏れる
バカみたいに同じ言葉しか紡げない程に、主人公にとっては信じられない言葉だった
だって、、、私はあなたに憎まれているのに
コラソンの死だって、私のせいなのに
あなたを裏切り、酷い言葉で傷つけ、苦しめたのに
この10年、あなたは苦しみながら生きてきた筈よ
そしてこれからも、きっと、、、、
彼が今、何を考えているのかはわからないが、主人公にだってこれだけはわかる
―――許される筈がないじゃない
わかりきっている答えだ
それなのに、、、、、
どうして、彼はあんな風に言うのだろうか
どうして、ここにいるのだろうか
疑問符ばかりが頭をいっぱいになり、困惑する主人公にそれ以上、ローは何も言わなかった
逸らされない視線は、主人公だけに強く向けられている
その表情は何かを決意したかのような表情で、、、
きっと、勘違いなんかじゃない
彼は待っているのだ
主人公の答えを、、、、
フルフルと首を横に振る
だって、、、、ロー、、、
私は、、、、
『海軍の犬になるか、それとも、俺に奪われるのか、、、、』
頭の中で、ローの言葉をもう一度繰り返す
駄目だと思うのに
許される筈がないと思うのに
色々な思いでいっぱいになって、収まりきらない感情が溢れ出す
『お前が決めろ!』
そんなの、、、そんなの、、、
決まってる