第12章 矛盾
そうしている内にも、ロー達の船は確実に海軍の船に近づいていた
程なくして
「打てっ!」
との合図にハッとした
同時に、
―――ドドォン!!
と大砲が鳴り響く
「きゃあっ!」
船全体がビリビリと震える程の大きな音と衝撃に主人公は血の気が引いた
これ以上は近づくな、という威嚇射撃なのだろうか
ロー達の船の遥か手前で、大きな水柱がザバァっと派手に上がる
続いてすぐにもう一度、ドドォン!!と大砲が鳴り響く
これもロー達の船とは距離をとって、同じく大きな水柱が海面を大きく揺らしながら上がった
「モモンガ中将、やめてください!彼等を攻撃しないで!」
「貴女を奴等に奪われるわけには行きません。」
「そんなわけないわ!私を追ってくるなんてある筈ないんです。だから、」
「いいえ。奴等の狙いは間違いなく貴女です。」
主人公の訴えを、モモンガ中将ははっきりと否定した
中将は何か誤解している、ローは主人公を追ってきたりしない
誤解ならばなおさらだ
顔を青褪めさせ、悲鳴のように主人公は叫んだ
「私なら、ちゃんと約束通りにしますから!だから攻撃しないで!」
中将は低い声で言い切った
「彼等が攻撃してくるなら、話は別です。」
「そんな!!」
「貴女は部屋へ。お連れしろ。」
中将が海兵に目線で促せば、側にいた屈強な海兵がこちらへ、と今度こそきっぱりとした態度で主人公の肩を押して部屋へと促される
主人公はそれを振り切って甲板に走り出ると、船の縁へと縋りついた
身を乗り出せば、ロー達の船はもうすぐ側まできていた