第12章 矛盾
何か、変な事を言っただろうか?
「どうかしましたか?」
主人公が尋ねると、すぐに軍人らしい顔つきに戻り彼は言った
「、、、、、いえ、約束ですから。」
そして、まさかお礼を言われるとは、、、とバツが悪そうに小さく呟いた
そんな中将を不思議に思いながらも、主人公は愛しい人達を思い出しそっとため息をついた
―――ロー達は、そろそろ出港の準備が終わった頃かしら
―――シャチ、ペンギン、ベポ、ごめんなさい
最後に食事を一緒にしようと言ったのに、彼らとの約束をやぶってしまった
ロー達は、もうすぐ船を出すだろう
―――彼等の航海が、どうぞ安全なものでありますように
主人公は祈らずにはいられなかった
出航して数時間は経っただろうか
部屋のドアがノックされた
モモンガ中将だった
「良かったら、外に出てみませんか?この辺りの海はとても澄んでいて美しいと、海兵の中でも有名です。」
気遣うように声をかけてくれたモモンガ中将は、やはり思ったよりも優しい人なのかもしれない
「、、、そうなんですね。見てみたいです。」
くよくよしてもしょうがない、、、そう思いモモンガ中将とデッキに出た時だった
―――カンカンカンカン!!!
一番高いマストの上の見張り台から、激しい警鐘音に続き、見張り番の海兵の大声が聞こえた
「3時の方向に、不審船あり!!!3時の方向に不審船あり!!」
「なにっ!」
モモンガ中将をはじめ、海兵達全員の顔つきが変わる
途端に船全体がピリリとした空気で覆われた
「見張り台!何隻見える?!どこの船かすぐに確認しろッ!」
将校らしき海兵が、よく通る声で見張り台に向かって叫んだ
見張り番の海兵は望遠鏡を必死に覗いたかと思うと、程なくしてハッとしたように、こちらに向けて叫び返した
「1隻です!あ、あの旗は――!か、海賊です!!」
そして信じられないことを口にした
「ハートの海賊団です!!」