第12章 矛盾
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「ドクター主人公。お部屋は気に入られましたか?」
モモンガ中将の問いかけに、主人公は曖昧に頷いた
本当は立派すぎる部屋に居心地の悪さを感じていたが、決して顔には出さないようにしている
明らかに軍船とは似つかわしくないその部屋は、まるで王様が使うような天蓋付きのベッドに高価そうな猫脚のソファー、床には毛足が長いふわふわの絨毯が敷き詰められている
そして部屋の主を退屈させないようにとの配慮だろうか、壁には美しい風景を描いた絵画が数枚、センスよく飾られていた
明かり取りをふんだんに取り入れているその部屋は、船室にしてはかなり明るい
しかし、その明るい日差しとは裏腹に主人公は真っ暗闇に閉ざされた心地だった
ロー達の船を見逃してくれるかわりに、主人公は海軍本部へ行く、それが中将との約束だ
何故、たくさんの医師の中から主人公が選ばれたのか
何故、一介の医師である主人公に対して、モモンガ中将をはじめ、たくさんの海兵達がここまで恭しい態度を取るのか
このまるでどこかの国の貴族を迎えるような豪華な部屋を見て、流石に主人公自身もおかしいと感じていた
海軍の本当の狙いは何なのかしら、、、
『何か大きな力が動いてるのかもな。』
ローの言葉を思い出し、大きな力とは何だろうかと考えてみるが、、、やはり思い当たる事は何もなかった
海軍本部へ行くという事は主人公が自分で約束した事だ
その約束は果たすつもりだ
しかし、そこからは、、、、彼らの言いなりになる気は毛頭なかった
どんな仕事であれ、きっぱりと断るつもりだ
もちろん主人公の要求が簡単に通る程、甘い場所ではない事はわかっている
今だって大勢の海兵に囲まれて、恐怖も不安もないと言ったら嘘になる