第12章 矛盾
―――クソッ!ふざけンなよッ!
『、、、ロー、、』
あんな風に、俺を呼んだくせにッ!!
口をついたのは、やり場のない怒りに支配された言葉だった
『いいじゃねぇか。海軍に行けば、確立された地位と、破格の給料だ。こんな辺鄙な街でちまちま医者をやってるよりか、よほど金になる。シスターだか何だか知らねェが、所詮アイツはそんな女なんだよ!』
まるで自分に言い聞かす為の、彼女に対する蔑みの言葉
そうでも言わないと、このジリジリと炙られるような感情をどうすれば良いかなんてわからなかった
しかし、そんなローの思いは
たった一瞬で覆される事となる
『なんてことを言うんだ!あの子はな、、、あの子は!』
続けられた男の言葉に耳を疑った
『君達を守る為に、海軍と行ったんだぞ!!』
――――――!!
―――な、、ん、、だと、、
わけがわからないまま、心臓がドクンドクンと嫌な音を立てはじめる
『、、、、それは、一体どういう事だ?』
『おい!どういう事かって聞いてんだ!説明しろ!!』
冷静にならなければと思うのに、冷静になんてなれるわけがなかった
アイツが俺を守る、、だと!?
嫌な予感しかなくて、体が内側からざわめいた
続けられた話は、更に耳を疑うものだった
シャチ達と一緒にいるところを海軍に見られた主人公は、海軍に脅されたのだと
海軍は主人公が一切の抵抗はしないという約束で、この街で海賊は見なかった事にする、と
そして、主人公はその取引を受けたのだと、、、
『あの子が初めて自分からこうしたい!と強く望んだんだ!だから、私は、、、。もう一度言うぞ!あの子は、決して金の為に動くような子じゃない!』
冷水をかけられたように、先程までの怒りは一瞬で消え去った
突きつけられた現実に、言葉も出ない