第12章 矛盾
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『ロー、、、』
また彼女の声を思い出してしまい、ローは小さく舌打ちをした
朝からもう何度目だろうか
昨夜のでき事で、ローはますます彼女がわからなくなっていた
彼女が何を思い、何を考えているのか
その胸に抱いている、本当の気持ちは何なのか
泣きながら自分の名前を、あれほどまでに切なく呼んだ理由は何なのか
その哀しいまでの声が、どうしても忘れられない
ローの身体に微かに残る、彼女の甘い香りにチリチリと胸を締め付けられるようだった
――― 主人公、、、一体、何がお前の真実なんだ?
そんな事を考える中、ベポがアイツを、、、、主人公を仲間にしたいのだと言った時は驚いた
まさか、彼女が一緒に行きたいと言ったんだろうか、、、と、期待さえしている自分がいた
しかし、ベポのただの我儘だと解ると盛大に舌打ちしたい気持ちになった
―――アイツが行かねェのは、当たり前だろうが、、、、
そう心の中で自分に悪態をつきながらも、やはり考えるのは主人公の事
もしかしたら自分は、何か重大な事を見落としているのではないだろうか、、、?
そんな風にさえ思えてくる
―――違う!アイツは裏切り者の筈だ、、、!
嫌というほどに突きつけられた真実があるにも関わらず、、、、まだ腕の中に残っているかのような、彼女の哀しい温もりを忘れる事がどうしてもできないなんて、、、、らしくないにも程がある
そうこうしている内に、出港準備も滞りなく終わり、いつでも出港できる状況になってしまい、、、
本当にこれが最後なのだと、、、、そう思うと、シャチ達のからかいなどには目もくれず、ローは自分も行く、と口走っていた
何も最後に本気でアイツと一緒にワイワイと食事をしようなどと、浮かれた事を思っていたわけじゃない
ただ最後にもう一度だけ、、、、賭けてみようかと思ったのだ
ローに見せる彼女の表情や声、、、今ならばきっと彼女の本心の欠片を見つけられるんじゃないかと、そう思ったのだ