第12章 矛盾
「そんなの!そんなの、ちっともわかんないよ!だって昨日は主人公いたんだよ!おれ、一緒に行こうって誘って、、、でも主人公は行かないって言ったんだ。だから、おれ、考えといてって、、、その返事だって聞いてないよ!海軍の事なんて、何も言ってなかったよ!」
動揺したベポは、泣きそうになっていた
「ま、まさか、海軍に拉致されたとか?!」
「「、、!?」」
ベポもシャチも、ペンギンの不穏な言葉に、再び固まった
まさか、、、誘拐!?
「あ!でもそれなら、こんな手紙用意したり、料理作る暇はねーか。」
自分で言って、自分で否定するペンギンに、頭の中で思ったことを何でもかんでも口にすんな!と、どつきたくなったシャチだったが、、、、
なるほど、ペンギンの言う通りだ
室内には荒らされた形跡もない上に、前以上にさっぱりと片付けられている
まさに、立つ鳥あとを濁さず、、、といった具合だ
加えて、あの手紙
キャプテンが言うように、主人公はきっと自分の意思で旅立ったのだ
どんな事情があるかは解らないにせよ、それなら、、、、
いくら自分達が嘆いても仕方がないじゃないか、、、
「、、、ベポ。諦めろ。」
シャチが、今だ動揺しているベポの肩を叩いた
「おれは、、、おれは納得できないよ!おれは主人公と一緒にいたいよ!」
ベポはついに泣き出してしまった
それを見たローが、苛立たしげに舌打ちをする
「泣くな、ベポ!!大体、アイツを船に乗せるなんて俺は認めてねェし、絶対に認めるつもりもねェ!」
それにだ、と、彼は皮肉げに唇を歪ませ吐き捨てるように続けた
「いいじゃねぇか。海軍に行けば、確立された地位と、破格の給料だ。こんな辺鄙な街でちまちま医者をやってるよりか、よほど金になる。シスターだか何だか知らねェが、所詮アイツはそんな女なんだよ!」