第12章 矛盾
けれど心残りは、教会と病院の事、、、
帰ってこれる保証は何もないのに、自分がいなくなってしまったあと、教会や病院は一体どうなってしまうんだろうか、、、、
そんな主人公の心配を察したのか、病院長が口を開いた
「なぁに、病院も教会も心配はいらないよ。病院は息子と二人でやって行けるし、教会は新しい神父様を呼べばいい。君がこれまでに多額の寄付をしてるんだ、教会も蔑ろにはできない筈だ。」
私に任せなさい、と病院長は言ってくれた
きっと病院長なら、後のこともきちんしてくれるだろう
任せっきりにしてしまう事が本当に心苦しかったが主人公に今できる事は、病院長の言葉に甘える事しかできないのは明白だ
自分の勝手で多大な迷惑をかけてしまう
申し訳ない気持ちでいっぱいで、落ち込む事しかできない
―――街の人にも、院長にも、迷惑ばかりかけてしまってる、、、
病院長は数歩足を進め、俯く主人公の肩にそっと手を置いた
「なぁ、主人公。私は、そんなに頼りないかね?」
「、、、え?」
頼りないなんて思った事もない
彼は地域の為に尽力している人物だ
それに出会ったときから身元もはっきりしていない余所者の主人公にさえ、病院長はずっと優しかった
「病院長をそんな風に思った事なんてありません。ずっと助けて頂いてきました。、、、だからこそ、街の人にも院長にも申し訳なくて、私、、、」
病院長のため息と共に、言葉はすぐに遮られた
「君は一人で何でも頑張りすぎだ。まぁ、そこが君の良いとこでもあるんだがな。過去に何があったかは知らないが、君は自分に厳しすぎる。人は一人で生きてるわけじゃない。時には人に甘えたっていいんだぞ。」