第12章 矛盾
そして、、、ローがいつになく深い眠りから目覚めた時、主人公の姿はすでになかった
眠りに落ちる前に、あれだけしっかりと抱き締めて眠りについたというのに
昨夜の事は一瞬夢だったのかと思ったが、微かに残るシーツの温もりと甘い彼女の残り香が、決して夢ではないと告げている
先ほどまで繋がれていたかのように、手にはまだ小さな感触が残っているようだった
しかし既に、気配は完全になかった
ローはベッドに座ると、両手で頭を抱えた
自分でも、どうしようもない衝動に駆られ彼女を抱いてしまった
もう何度も抱いているのに、昨夜はまるで主人公を初めて抱いたかのような感覚だった
震える体も、縋るように伸ばされた腕も、甘く切ない声までも
体のすみずみまで穢した筈なのに、、、、
彼女はどこまでも真っ白で、そして美しかった
蒼い瞳はずっと潤んだまま
泣きながら、ローを何度も呼んでいた
込みあげる感情のまま、気づけばローもまた主人公の名前を呼んでいた
ふいに込みあげてきた切なさに、ローは表情を歪めた
―――本当にこれで良かったンだろうか、、、
恋人のように、、、
そう望んだ彼女の本心は、本当に陵辱された記憶を忘れたかったからなのだろうか
何かがおかしい、、、、
おかしいのだ
彼女の泣き顔ばかりが、浮かんでしまう
―――どうして、そんな風に泣く?
それすらもローは聞けなかった
確かめたくても、もう確かめる事はできない
一晩だけ、、、という約束通り、彼女はもういないのだから
そして、もう二度と、、、、
「チッ、、、黙って行くのかよ。」
そんなローの言葉だけが、部屋に虚しく響いた