第3章 無力な少女
島にたくさん人が来れば、売買などで島は潤い、さらに患者の中にはたまに王族や富豪なんかもいて、治るたびに莫大な謝礼金を置いていこうとする
リリスは暮らせるだけのお金があればよかった
しかし、村長や村人は許さない
リリスが断っても、先程と同じ文言を言えば簡単に村に謝礼金を落としてくれた
お金は人々の心も変える
待っていればしばらく暮らせるだけの大金が手に入るのだ
こんなに楽なことはない
リリスはそんな村人を危惧し、必要以上の金品は受け取るべきではないと提言したが、一度甘い蜜を吸ってしまった村人には聞き入れられなかった
逆に、流れ着いたのを助けてやったのに恩知らずだと責められた
リリスは助けてもらった恩もあったし、島にやってくる患者も見捨てることができなかった
あと少しだけ、、、、今の研究が落ち着いたら島を出よう、、、
そう決めた頃、悲劇は突然やってきた
色々な患者がくるということは、色々な病気も島に持ち込まれる
ある日、一人の男が島に流れ着いた
男は随分長い間漂流していたようで、ボロボロだった
怪我もしていたので、リリスのもとに運ばれた
「あなた、どこから来たの?」
「、、、、イーストブルーだ。仕事で買い出しに出ようとしたら嵐に巻き込まれてな。」
「運がよかったわね。」
「ありがとよ、、、」
「余計なことは考えず、よくなることだけ考えて」
ウェズンと名乗るその男は、顔に星型の生まれつき見られる赤い母斑があった
もとはかなり屈強な男だったのだろう
名残はあるが、今では筋肉がすっかり削げ落ちてしまっていた
イーストブルーのある島で働いていたそうだ