第3章 無力な少女
リリスはもともと村の住人ではない
11年前、この島に流れ着いたのだった
リリスはその時、主人公を妊娠していた
閉鎖的な島の人は、訳ありそうなリリスを訝しんだが、リリスが医学の知識があるということがわかり島に置いてくれることになった
ちょうど、唯一の村医者のおじいさんが死んでしまい、村には医者がいなかったからだ
リリスはもうじき産まれてくる子供の為に、この村に留まることを決めた
それからリリスは村人の病気や怪我を診てやった
親子二人暮らすには贅沢さえしなければそれなりに暮らせていけた
最初は訝しんでいた村人も、腕がよく安い治療費で快く診てくれるリリスを段々と受けいれてくれるようになった
ある日、たまたま島に訪れた大富豪の商人がいた
商人は不治の病だと言われ、最後は好きな海で死にたいと船旅の途中だった
たまたま寄ったこの島で商人が倒れ、念の為リリスが呼ばれた
船内には立派な医療設備を完備してあったので、リリスはそれを使っていとも簡単に治してしまったのだ
商人は大層喜び、莫大な金をリリスに渡そうとしたが、リリスは断った
しかし、それを聞きつけた強欲な村長は許さなかった
「商人様、我が村ではみんなが助け合ってます。一人の功績は村人みんなの功績。リリスもそれを望んでおるのです。」
商人は納得し莫大なお金を村人に渡した
村人は皆、漁やら農作物で生計をたてていたが、たまに寄る商船などにしか売れない為、皆貧しかった
富豪の不治の病を治した、、、噂が噂を呼び、色々な患者が来るようになった
リリスの為にと、様々な医療道具や研究器具も用意された
こんな辺鄙な島にわざわざやってくる患者
皆、普通の医者が治せないと匙を投げた患者ばかりだった