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星の舟【ONE PIECE】

第3章 無力な少女


物心ついた時から、主人公はこの島から出たことがない


ゆっくり徒歩でまわっても、数時間もあれば一周できる小さな島


母リリスと2人、父親は生まれたときからいない


父親がいないのが当たり前だったから、寂しいとかは感じたことはなかった



それでも村の子がお父さんに甘えているのを見て、何も思わなかったわけではない



一度だけ母に聞いたことがある



「ね〜おかあさん、私にも、お父さんっているの??」


「、、っ!もちろん、いるわ。」


「どこにいるの??」


「お父さんは海にいるのよ、、、。」


「じゃあ、いつか帰ってくるの??」


「ッッ!ごめんなさい、主人公。お父さんはここには帰ってこないのよ。」



苦しそうに声を絞り出す母を見て

幼心に、父は私達を捨てたのだと思った



いないものは、いないのだから仕方ない


自分にそう言い聞かせ、二度と父のことは聞かなかった






母を訪ねてくるのは「患者」さんだ

しかし、主人公はお客様と呼んでいる


病気を抱えている人は、心にも傷を負っている

皆、治らないと言われ、絶望の果に母を頼りここに来ている



患者なら病が治らなくて、家に帰れないこともあるかもしれない

普通の病院なら、そうらしい



しかし母は、どんなに治療が難しいと言われた病も治してしまう天才だった



だから、傷ついた顔でやってきた人も、最後は皆、笑顔で家に帰っていく


必ず帰っていくから「お客様」なのだ

おかあさんはすごい

そんな母を、主人公は心から大好きで尊敬していた



しかし、村人から母は恐れられていた

母だけじゃない、、、娘である自分も恐れられている



昔は主人公に優しくしてくれる人もたくさんいた

一緒に遊ぶ友達だってたくさんいた



しかし、ある日を境に村人の態度は変わってしまったのだ


買い物なんかに出掛けても、主人公の姿を見るとそそくさと家に入る人もいれば、露骨に嫌な顔をする人もいる


まだ幼い主人公が、そんな視線に耐えれるはずもなく、いつしか主人公は村には行かなくなった

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