第11章 忍び寄る闇 ⚠
「、、お前、、、何を、、」
ローの鳶色の目が、激しく動揺したのがわかった
だから
彼から拒絶の言葉が紡がれるより先に、主人公は想いを口にした
「今夜だけ、、、。嘘で良いから、私をローの恋人みたいに抱いて欲しいの。」
ローの恋人、その言葉を発するだけで苦しかった
ローに大切に扱われ、ローに優しい眼差しで見つめられる、、、、
聞いたことなんてないけれど、そんな女性が彼にはもういるかもしれない
何処かに、彼の帰りを待っている女性がいるかもしれない
考えるだけで胸が引き千切られそうで、涙が滲んだ
もしそんな存在がいないとしても、自分には絶対に手に入らない立場だ
憎まれ蔑まれる自分とは、真反対の立場
どんなにローを想っていても、主人公の想いは一生告げることもできなければ、報われることも決してない
そもそもそんな資格すら持ち合わせていない
それならば、、、せめて夢を見たかった
もし、あの頃に戻れたなら、、、、
自分が犯した愚かな罪も今だけは忘れて、何度も考えずにはいられなかった偽りの未来が一瞬で良いから欲しかった
嘘でいいから愛される夢を、偽りでいいから彼の温もりを、、、
一夜限りの虚しい偽りの睦事だとしても、求めずにはいられなかった
「、ロー、、お、、願い。」
倒れそうな位に、恥ずかしい
泣かまいとしても耐えきれず、涙声になる
誘い方なんて知らない
だから、俯いて彼の服の袖を掴むしかなかった
「主人公、、、。」
それだけが、頭上から降ってきた