第11章 忍び寄る闇 ⚠
「だから、、、だ。借りひとつ分位は、お前の願いを聞いてやる。」
彼の目がまっすぐにこちらを見つめてきた
「海軍から守ってほしいんなら、、、ちゃんと、そう言えよ。」
「ロー、、、。」
ローは、、、、わかっているのだ
主人公の嘘を、、、
わかった上で、主人公が言いやすいように気遣ってさえくれている
彼の優しさに気付いて思わず涙ぐみそうになるが、瞬きでなんとか堪えた
憎んでいるなら、私の事なんて放っておけば良いのに、、、、、
そうしないのは彼の温情に他ならない
彼の優しさを決してはき違えてはいけない、と主人公は自分に言い聞かせる
彼の優しさは素直に嬉しい
しかし、ローを巻き込むなんて絶対にしたくなかった
もしローが海軍に捕われてしまえば、、、、命の補償なんて何処にもない
そうなれば主人公は10年前と同じく、死んでも死にきれないような後悔を味わう事になるだろう
私の望みは、ローが島を無事に出てくれる事
それだけだ
海軍にロー達の存在が知られてなかったとしても、どちらにしろ自分は海軍本部に行かなくてはならない状況だったのだ
例え二度とローに会えなくても、、、、
選んだのは自分自身
それを憐れむのは間違ってる
ローと二度と会えない、、、、
改めて考えるだけで、今にも泣き出してしまいたい
今日この時を最後に、ローとは一生交わる事のない人生を過ごすのだ、、、、、
「本当に、、、」
もし、、私に望む事が許されるなら、、、
小さく息を呑み、声を振り絞る
「、、、本当に、願いをひとつ叶えてくれるの?」
「ああ、二言はねェよ。」
そう言った彼は、少しだけ柔らかな雰囲気だった
「じゃあ、、、」
自分の言おうとしている事に、声が震えた
ローを見つめれば、その肩越しには美しい満月
ローと初めて口づけを交わした、主人公にとっては宝物の思い出、、、
その光輝く満月にそっと背中を押されるように、主人公は願いを口にした
「私を、、、抱いて。」