第11章 忍び寄る闇 ⚠
涙を堪えたまま主人公が返事もできないでいると、中将は何かを言いかけた
しかし、それ以上は何も言わず、彼は唇をぎゅっと引き結んで、、、では、私はこれで。と、マントを翻し去って行った
主人公はといえば、彼の背中の「正義」の文字を見つめ続けるしかできなかった
だから、、、、
息を吸い込んで、もう一度ローに向き合う
「だから、もう大丈夫なの。」
笑顔でそう言うと、ローは再び眉を寄せて押し黙った
人違いなんて子供騙しな言い訳は、やはり無理があっただろうか、、、
そう思案する主人公をローは暫く訝しげに見ていたが、、、、次に、彼から発せられた言葉は意外なものだった
「船が直った。、、、結果的には、お前のおかげでな。」
噛み合わない会話に戸惑ったが、ローにそんな風に言われるとは思ってもみなくて、慌てて主人公は首を横に振った
感謝しないといけないのはこちらの方だ
「わ、私は何もしてないわ。もともと私がシャチとペンギンに助けてもらったんだもの。おかげであれからあの男達を全然街で見かけなくなったし、お礼を言わなきゃならないのは私の方だわ。」
「そりゃ、良かったな。」
主人公の言い分も、たった一言で流されてしまう
「確かに、シャチやペンギンにはこれで借りを返せただろう。」
だがな、と彼は少し苛立った声で続けた
「俺はハートの海賊団の船長として、お前に借りを作るのは嫌なんだよ。」
「でも、、、」
主人公は口ごもりながら、最初にローに言われた言葉を思い出す
『これで、恩をきせるつもりならお門違いだ。お前に金なんて払わねェぞ。』
彼は、そう言ってた筈だ
だから、借りを作るのが嫌だと言われても主人公にはどうしたら良いかわからない
ローの言いたい事がわからず、思わず見上げると彼はこちらに一歩足を進めた
見事な満月に照らされて、夜だというのにお互いの表情がよくわかる
手を伸ばすと届く距離で、主人公はローに見下ろされていた