第11章 忍び寄る闇 ⚠
「病院長の薦めで、新薬の論文を3ヶ月ほど前に初めて国の研究機関に出したわ。成果が認められたら、国から病院に研究費がもらえるからって。」
「、、、可能性は高いな。他にはねェのか?」
「、、、もう、思い当たることなんて何もないわ。島から出ることだってないし、患者さんだって、島の人しかいないもの。研究結果だって論文にして出しただけよ。その結果だって知らないわ。何の音沙汰もなく、いきなり海軍が来たのよ。」
彼女は首を振って、また力なく答えた
ここ最近、確かに海軍は優秀な医師を世界中から集めているらしい
しかし、決して無理強いではない
納得した奴ばかりの筈だ
むしろ入りたくても入れない、そう聞いた
破格の給与と確かな地位、普通の医師より遥かに高待遇が約束されているというから、並大抵の医師では到底無理なのだと
明らかに今回は、少し事情が違うようだ
いくら彼女の論文が優れていたとしても、こんな風に連れて行こうとするなんて聞いたことがない
海軍の態度にも気になる所があった
強引に連れて行くという割には、丁重すぎる海軍の口ぶり、、、
主人公に対して、酷く礼儀正し過ぎる態度にローは違和感を覚えずにはいられなかった
―――まるで政府にとっての、要人を連れに来たようじゃねェか、、、
アイツが、政府にとって余程欲しい人材って事か、、、
それとも、、、、
「、、、もしかしたら、もっと大きな力が動いてるのかもな、、。」
「、、、え?」
「それでお前はどうするんだ?引き抜きなら、一生遊んで暮らせる程の高待遇らしいぜ。」
「行くわけないわ!私には教会があるし、病院の仕事だってあるもの。」
そんな事を言われるのは心外だったのか、珍しく大きな声で彼女は反論してきた
病院には、あの男もいるから、、、か
海軍に然り、あの男に然り、、、
―――どちらにしても、気に入らねェ、、、
―――コイツは俺の奴隷だっていうのに、、、