第1章 【命令】 ⚠
蝋燭の灯りがユラユラ揺れている
余分な物は何もない、むしろ簡素すぎる彼女の部屋では、数本の蝋燭で充分に明るい
彼女の服を掴んだ両手が痛々しいほどに握られていた
目を瞑り、顔を背け、唇はふるふると震えている
脱げ、、、と、酷い【命令】を言い捨てた
普通の女にとっては屈辱でしかないだろう
ましてや彼女は神に仕えるシスターだ
そんな辱めは、信仰心が許さないだろう
だから、わざと無理難題をふっかける
一時は殺してやりたいほど憎んだ
【命令】はただの気まぐれだった
「できねぇのか。」
どうせ、できやしない、、、
小さく震えていた彼女が、グっと決意したようにホックを外していく
意外だった、、、
震える手でなんとか外し終わったが、それ以上先が進めないらしい
美しい蒼瞳には涙が溜まってるのが、ここからでもわかる
そういや、小さい頃から泣き虫だったな、、、
可憐だった少女は、蛹が蝶にかわるかのように美しく成長していた
容易には侵し難い雰囲気の修道服のおかげで、彼女の美しさがベールのように覆われているが、近くで彼女を見たら世の男の大半は目を奪われるだろう
彼女から自然に溢れ出す、春の日向のような柔らかい空気は昔と変わらない
ミノムシだったくせに、、、、
ふと、昔を思い出して、つい口もとがゆるむ
「できねぇのか。」
そのまま固まっている彼女に声をかける
それだけで、傷ついたのか彼女は瞼を震わせた
そうだ、目的を忘れてはいけない
裏切りの代償を払わせなければ
クソガキだった俺はこいつを信じた
だが、、、、、、
こいつは俺を裏切った、、、
どす黒い感情に飲み込まれ、酷く残酷な気分になる
「早くしろよ。」
感情のまま言葉をかけると、一瞬彼女がビクッと身体を固まらせた
次の瞬間、蒼瞳から涙がポタポタっと零れ落ちた
「チッ、、、、興が冷めた。」
気が晴れるどころか、酷く最悪な気分だ
バカバカしい、遊びは終わりだ
コイツも少しは懲りただろう、、、、
立ち上がって部屋を出ようとすると、懇願するように彼女が言った
「待って、、、ロー、、」
濡れた眸で彼女が俺を見つめる
胸の真上で止めた震える手を動かし、修道服を一気にずらした
「主人公、、、」
思わず彼女の名前を呼んだ