第10章 罪の対価 ⚠
男が去った後、、、、
主人公は頬にそっと手を触れた
先程、男に口づけられたところだ
ドロドロと黒い感情が湧き上がるのが、自分でもわかった
そして彼女は、自分自身をかき抱いた
その表情に、ローはハッと息を呑んだ
ほんの一瞬だったが、、、、
礼拝を執り行っていた楚々とした姿とはまるで違う、、、まさにローが先程、彼女にさせたいと思った情欲を宿した女の表情を彼女は浮かべた
―――やはり、主人公はあの男を、、、、!
体の内側からまるでジリジリと焼かれるように、ドス黒い感情が溢れ出し、、、、
やがてローを飲み込んだ
それからの事は、まさにあっという間だった
祈りを捧げ始めた主人公に、会うつもりもなかった筈なのに感情のままに声をかけてしまい、、、、
苛立ちをぶつけるように、酷い言葉を並べ立てた
そして、今に至る
彼女はいつもの哀しそうな顔で、ローの言葉一つ一つに傷ついた顔をした
はっきりと否定しないのは事実だからなのか、それともロー自身にも抑えきれない程の殺気に怯えている為か
それなのに
『すぐに手玉にとれそうな、頭悪そうな男だったしな。』
男に対しての暴言をローが吐いた時、主人公は自分が言われた時よりもずっと傷ついた顔をしたのだ
傷ついた表情は、やがて静かな怒りを宿した表情に変わり、彼女はローに向かってはっきりと言った
『アサドは勇気ある善人よ。そんな言い方は彼に失礼だわ。取り消してって言ったの。』
怒りを込めた蒼い瞳が、ローを真っ直ぐに見た
―――庇う程に、あの男が大事なのかよッ!
そもそも自分は、何に対してこんなにも怒っている?
自分でも、わけがわからねェ
あの男に対してなのか、主人公に対してなのか、、、とにかく自分が冷静さを失っているのだけはわかる
どんなに鋭い視線で睨みつけても、主人公は引く気はないらしい