第10章 罪の対価 ⚠
二人の会話から、、、、男は主人公が働いてる病院の医師らしかった
自分と同じ医者
そして彼女と同じ医者という事が、更にローを苛立たせる
その上、、、あの男に向ける主人公の表情は、ローに見せるそれとは全く違っていた
奴隷になれと言ってから、、、、主人公はいつだって悲しそうで、どこか怯えたような、そんな顔ばかりだ
歪な契約を結んだあの日以来、主人公はローの前では笑わなくなった
いま、あの男の前で微笑んでいる彼女からは、男への信頼が見てとれて、、、ローはギリギリと更に拳を強く握りしめた
幼い頃のローと主人公
あの頃、、、、もし医者になれたらと二人でよく話していた
どんな医者になりたいかとか、病院はこんな風にしたいだとか、、、時間も忘れて無邪気に夢を語り合った
そして約束した
必ず二人で実現させよう、、、と
今、あの男の前で微笑む主人公
否が応でも、昔の自分とあの男を重ねてしまう
かつては、自分に向けられていた表情だと、、、
そして、見なければ良かったと後悔する羽目になる
『、、、僕はね、今まで色々な女性と付き合ってきた。でも、君みたいな子は初めてだよ。君は純粋で穢れなき天使のようだ。』
男は歯の浮くようなセリフを吐きながら、主人公を見つめている
主人公もまた、男を見つめた
背中を向けた彼女の表情を、うかがい知る事はもうできない
うっとりと愛しい者を見つめるように、、、、蒼い瞳にあの男を映しているのだろうか
『君が現れてからは、僕は君だけに夢中なんだ。今までは我慢してたんだけど、、、ここ最近の君はちょっと魅力的すぎるよ。』
そして、あっという間に彼女を抱き寄せると
男は主人公の頬に口づけを落とした
『フフ。君が好きだよ。僕は君との将来を真剣に考えてるんだ。』
そう言って去って行った男の言葉が、ローの耳に酷く不快にこびりついた