第10章 罪の対価 ⚠
あの日
突然、ローが深夜に訪れたにも関わらず、主人公はローの傷の手当をした
素手で男達を殴り続けたからだろう、相手の歯にでも当たったのか、確かに思ったよりも切れてはいたが、、、
この位の傷は、ローにとっては痛くも痒くもないレベルだ
手当てなんて必要ねェのに、主人公はダメだと、やけに医者らしい口調で言った
『誰かを、殴ったの?』と、傷を見ただけで言い当てられ、単に酒場でムカつく奴らがいたから、だから殴ったのだと、、、そう告げた
神に遣える主人公からしたら、喧嘩なんて野蛮な行為は嫌悪でしかないだろう
それなのに
主人公は、ローに他に怪我がないことを確認すると、『よかった、、、。』と、言った
傷の処置なんてしながら、あからさまに安心した表情で
主人公のそんな風な表情は、酷くローの心をザワつかせ、なんでコイツはこうなんだ、と腹がたった
これじゃ、まるでコイツが俺の事を心配しているみたいじゃねェか
そんなわけある筈はねェ
神だかなんだかの教えにすぎない、所詮、偽善だ
そう、心の中で悪態を吐かずにはいられなかった
それから、やけにゆっくりと包帯を巻く彼女を見て、昔から彼女が包帯を巻くのが苦手だった事を思い出した
二人で包帯を巻く練習する時も、主人公は変に焦ってアタフタと巻くもんだから、ローはいつもぐちゃぐちゃのミイラ男みたいになったものだ
ローがどんくせぇな、と呆れて言えば、真っ赤になりながらよく頬を膨らませていた
そんな姿さえ可愛くて、、、主人公を守りたいと思った
そして、そんな日常がずっと続けば良いと願っていた
『できたわ、、、。』という、主人公の声でハッとした
丁寧すぎる処置が終わり、主人公がそっとローの手を離す
彼女の温もりが離れていく事が、少しだけ寂しいと思ってしまうのは、柄にもなく昔を追想していた為だろうか
昔と違いきれいに巻かれた包帯を見て、ローは自然と言葉が漏れた