第9章 届かない気持ち
「、、、鍵ぐらい、ちゃんと閉めとけよ。」
「え?」
ローの手を離したくなかったなんて、邪なことを考えていたので、、、、
彼が鍵がかかっていない礼拝堂の事を言っているのだと、理解するのに少し時間がかかった
「、、でも、礼拝堂は開けておかないと、、、。」
礼拝堂は、誰もが入れるように大抵鍵は開けてある
もともとは旅人に宿代わりに提供したり、急な雨風を凌いでもらう為、、、だと聞いている
教会は万人のもの
これは、神父様からの教えでもある
言葉の意図がわからず口ごもると、ローにまたもや苛立たしげに舌打ちをされた
なんだか、先程よりローの機嫌が悪くなってる
気のせい、、、だろうか
「、、、、危ねェだろうが。」
ボソリと呟くように言われ、ようやくローの言葉の意図を知る
防犯の面で心配してくれたのだと、、、わかると、急に胸が温かくなった
礼拝堂には鍵はかけていないが、教会内にある主人公の私室には頑丈な鍵をかけてはいる
とても頑丈な鍵なのだと力説すれば、ローは納得していないのか、船大工のおっさんに頑丈な鉄の扉でもつけてもらえと言った
鉄の扉って、、、宝石なんかを隠す金庫じゃあるまいし
でも、ローは本気で言ってるようで、、、
また、胸がとても温かくなった
「ありがとう、、、。ロー。」
心配してくれて
微笑みながらお礼を言うと、ローは眉間にシワを寄せた
それは不機嫌そうな顔ではなくて、、、
照れ隠しのような表情
そんなところが、昔と変わらなくて、、、
主人公は思わずクスクスと笑ってしまった
「、、、ンだよ。」
そう言った、彼の表情もほんの少しだけ柔らかくて
この瞬間だけは、、、まるで、昔のようだったから、、、
私は浮かれていたのかもしれない
自分の罪の重さも考えず
嬉しくて、、、その気持ちのまま
つい、、、ローに聞いてしまった
「そういえば、、、コラソンは今どうしてるの?」