第9章 届かない気持ち
今日一日の事を思い出すと、どうやっても眠れそうになかった
だから、気持ちを落ち着かせようと、、、、深夜ではあったが神に祈っていた
不安な事や、心配な事があると神に祈る
それは、主人公にとって息をするように当たり前の行為
静かに神に祈ると、不安な気持ちも少し楽になる
しかし当たり前であるその行為も、、、今夜はいくら長い時間をかけて祈っても、心の中はローのことでいっぱいだった
そんな中
背後から突然に声をかけられたものだから、飛び上がる程に驚いた
「ロー、、、!」
たった今、考えていた人物が、突然目の前に現れて驚かない人がいるだろうか
しかも、こんな時間にここに来るなんて
もしかして
「何かあったの!?」
「、、、別に。何もねェよ。」
不貞腐れたようにそう言った彼からは、強いお酒の匂いがした
その表情は、、、、怒っているようにも見えたし、苦しそうにも見えた
どう見ても、何もない、という感じではない
手に、何かついてる、、?
「ロー、、、手から血が出てるわ!怪我を?!」
「あァ?、、、」
ロー自身でも気が付いてなかったのか、自らの右手にチラリと目をやる
ローの右手の甲には、結構な大きさの赤黒い血の瘡蓋ができていた
半ば乾きかけてはいるようだが、血の量からただ事ではない
「、、、、これくらい、たいしたことねェ。」
「だめよ、だいぶ切れてるわ。待ってて。」
ハッキリとした口調でローに告げ、すぐに奥から応急セットを持ってくる
「手を出して。」
向き合うように座りそう言うと、ローは眉間に皺をよせた
彼もまた医者なのだ
処置くらい自分でやる、そう言われるだろうか
しかし、以外にも素直に、、、、ローは目の前の椅子に腰を下ろし、そして、右手を主人公の前に差し出した
手を取ろうとしたら、指についた赤黒い血の間から『DEATH』と刻まれた文字が読み取れ、一瞬、ビクリと手が止まる
まるで『死』と言う言葉が、自分に向けられているかのように感じてしまう