第9章 届かない気持ち
久しぶりの酒場で、やんややんやと他のクルーが盛り上がる一方、ローの心中は穏やかではない
主人公と知り合いなのかと、、、、シャチに聞かれた
知らねェよ、あんな女
思わず口をついて出た言葉だが、、、いっそ本当に、アイツに関してそう思えたらどんなに楽か
大体、ワケがわからねェ
震えて怖がって泣いていたかと思えば、生意気そうな態度を見せたり、、、、今日みたいに不意に嬉しそうに笑ったり
シャチ達の為に作ってきたのだろう、確かに弁当は、、、、思わず食ってしまう位に美味かったが
その際に、こちらに見られないように涙を拭ったアイツの小さな背中を見たら、、、なんとも言えない苦い感情が押し寄せてきた
何を考えているか、まるで読めない
涙の意味も、笑顔の意味も、、、、
ただ、昔とかわらないあの春の日差しみたいな雰囲気で、シャチやペンギンやベポと話しているアイツを見たらイライラしっぱなしなのは確かだ
と、同時に、嫌でも思い出す
アイツを信じて、アイツに惹かれて、、、
そして、あっさりと裏切られた記憶
まな裏にこびりつく面影を振り払う
この島に来てから、主人公の事ばかり考えている
アイツは憎むべき相手であって、油断ならない相手だ
警戒しておくに越したことはない
だから、だから、考えているだけだ、、、
そこまで考えて、舌打ちした
自分が納得できる理由を探している時点で、おかしいだろ
クソッ、、、、!!
ローは迷いまで一緒に流し込むように、一気に酒を煽り飲んだ
空いたグラスを回収しにきた、やたら胸ばかりを強調した服を着た女に熱い視線を送られる
もう随分と女は抱いていない
正直、最近では女を抱くのが面倒になってきていた
後腐れない相手でも、セックス自体に興味がなくなってきたのだろう
何も勃たないわけじゃねェし、自分にはまともに動く右手がある
それで全然問題はなかった
しかし実は自分が気が付かないだけで、男として身体がストレスを溜めているのかもしれない
女でも抱けば、、、、このなんとも言えないまどろっこしい嫌な感情から抜け出せるだろうか
気乗りはしねェが、、、
女の誘いを受けるのも、今夜ばかりはアリかもしれない
そんな中、ふと、不穏な話題が聞こえてきた