第2章 暗闇に差し込んだ光
「この木の上よ」
主人公はローの手を引いて家の近くの木の下まで来ると、上を指差した
少し高い木の枝に、小木や小枝が簡素に組んであるのがチラリと見える
確かに巣があるようだ
「じゃあ、ついて来てね」
そう言うと主人公はポンポンという音がぴったりな様子で靴を放り出し、ヨジヨジと木を登りだした
「おい!なんでおれが!」
主人公に手を取られ、強引に連れてこられただけ
ローは子供みたいに、主人公と馴れ合うつもりは全くない
手を振りほどくことなんて簡単なのに、それをしなかったのは、主人公の勢いに負けたから
そうだ、あいつが強引だから
誰に聞かれるでもなく、心の中で言い訳した
「もしかして、登れないの?」
少し登った木の上で、キョトンとした顔で主人公が問う
「っ!!バカにすんな!」
こんな木ぐらい、なんてことない
木登りもできないのだと、バカにされたような気がして思わず大きな声が出る
「じゃあ、きてね」
そう言うと、主人公はよかった〜と言いながら再びヨジヨジと一生懸命に登りだした
ローが登って来ると、信じて疑わないようだ
「くそっ!なんでおれが!」
と言いつつも、先ほどの主人公の強引さには負けたが、今度は負けねー!と、勝手に対抗心を燃やし、ローも靴を放り出した
運動能力が高いローにとって、こんな木ぐらい登るのは朝飯前だ
ローはまたたく間に、、、主人公を追い越し登り切ってしまう
スペースがある緩やかな大枝まで登ると
「おれの勝ちだ!」
主人公を見下ろし、高々に勝利宣言をした
「うわ〜!早い!!ローってすごいのね!」
いまだにヨジヨジとミノムシみたいに登りながら主人公が心から感心したように言うもんだから、、、勝手に対抗心を燃やしたローは完全に毒気を抜かれてしまった
チッ、、、変なやつ、、、
ミノムシみたいに、動きが鈍い
いわゆるどんくさいのだろう