第9章 届かない気持ち
断られる、、、かと思ったが、ローは眉間に皺を寄せながらも黙って皿を受け取ってくれた
そして、ゆっくりとひと口、食べて、、、
ふた口、食べて、、、
3口、4口目はもうバクバクと
あとはあっという間に、お皿を平らげてしまった
「、、、、、。」
そして、無言で空いたお皿を差し出され、、、
また、主人公がお皿によそうと、再び全て食べてくれた
ベポがおにぎりを頬張りながら、不思議そうに尋ねた
「あれ?主人公?目なんか押さえてどうしたの?」
「あの、、ちょっと目にゴミが。」
慌てて、後ろを向く
泣かないって決めたのに、、、感極まってしまった
見られないように、慌ててハンカチで目頭を押さえた
今、目の前にローがいる
そう、ローが主人公の目の前にいるのだ
この広い世界で、再会できただけでも奇跡に近い
心の中で、改めて神に感謝して主人公は天を仰ぎ見た
彼に憎まれているのは、わかっている
許してもらえるなんて、思っていない
しかし、少なくとも今、彼は自分が作った料理を食べてくれている
船ではどんくさい自分を助けてもくれた
会話なんて、何もない
でもそれで充分だった
しかも、今日のローはほんの少しだけ雰囲気が違う
相変わらず、主人公を見ては、睨んだり不機嫌そうな顔ばかりするので、どこかと言われたらわからないが、、、、確かに違うのだ
どことなく昔のローのような、そんな雰囲気がする
船が直ると、彼等は今日にでもこの街を出るかもしれない
でも、、、、今日のこの思い出さえあれば大丈夫だ
彼の幸せを祈りながら、この先もずっとこの島で一人生きていける
そう思った
主人公がそっと涙を拭った後、振り返るとローと眼が合ってしまった
どうやら彼は、ずっとこちらを見つめていたらしい
しばし、視線が絡み合い、、、、、
ローの形の良い眉が苦しそうに歪んだ後、視線はすぐに外されてしまった
(ロー、、、?)
複雑な表情を浮かべた彼が、何を考えているか主人公には知る由もなかった