第9章 届かない気持ち
結局、何故かローを怒らせてしまったようで、、、
主人公は理由もわからないまま、ローが扉の向こうに姿を消していくのを見送ると、小さくため息をついた
「ほんとに、ごめんね主人公。」
「そんな!私が悪いんです。ベポのせいじゃないわ。」
「仕切り直させて!ね!船内案内するよ。」
「ベポ、、、でも。」
また、ローを怒らせてしまうかもしれない
「キャプテン、船を見るなとは言わなかっただろ?わかりにくいけど、あの人なりのオッケーサインだぜ。」
「そうそう!またすっ転んだら、今度はオレ達が助けてやるから。来いよ、主人公。」
そうして、3人は船を案内してくれた
初めて見る海賊船の中は、とても新鮮で主人公は目を輝かせっぱなしだった
舵室や船室はもちろん、シャチ達が寝ている大部屋や、皆が集まるというリビング
ローの部屋は流石にみれなかったけど、他にも、お世辞にもキレイとは言えないキッチンや、これまた古びたお風呂
ちょっとやそっとじゃ開かない扉や、建付けが悪くなり開かなくなった窓、動物の悲鳴みたいに閉まるドアなどなど
それらをシャチ達は、いちいち面白おかしく紹介してくれるものだから、主人公はその度にクスクスと笑わずにはいられなかった
修理跡だらけで、壊れた部分もとっても多いけど、やっぱり主人公はこの船が好きだと思った
豪華でもきれいでもないけど、どっしりとした木の温もりに包まれると、なんだかとっても安心した
そのことを伝えると、ベポが嬉しそうな顔をしたあと、ちょっと寂しそうに言った
「もうすぐ、この船は乗り換えるんだ。もう、ウォーターセブンで新しい船も注文してるんだよ。」
「そうなんですか?」
「コイツには世話になったんだけど、古いからさ。新世界に行くのにはさすがに無理があるんだ。」
「そ、だからコイツに乗るのもあと少し。だから、最後にちゃんと直してやりてェんだ。主人公が船大工を紹介してくれて本当に助かったよ。」
“ボロ船”だとみんなで軽口をたたいてるが、シャチもペンギンもベポも船を眺める目は温かい
みんな、この船が大好きなのね、、、