第9章 届かない気持ち
立派な船のマストを見上げれば、海賊旗もちゃんと掲げてある
そこには、ドクロが歯を見せてニカっと笑っていた
コラソン??
咄嗟に彼の顔が浮かんだ
気のせいだろうか、、、、どことなくコラソンの不器用な笑顔に似てると思ったのだ
コラソンといえば、、、、
彼の事も聞けずじまいだ
不器用で優しいコラソン
彼もまた元気なのだろうか、、、
ローに是非とも聞いてみたいが、一顧だにしない彼の態度を見ると、とてもじゃないが聞ける雰囲気ではない
今日こそ、ローと少しだけでも話ができたら、、、
そんな淡い期待を抱いて、主人公は腕の中の大きな荷物を抱え直した
突然、船の上から大きな声がする
「お〜い!主人公〜!」
見れば船のデッキ部分から、ベポが元気よく両手を振ってくれている
笑顔で小さく手を振り返すと、シャチやペンギン達も甲板に出てきた
口々におーい!とか、来てくれたんだな!と笑顔で大きくこちらに手を振ってくれるものだから、主人公は嬉しくなって、今度は大きく手を降り返してみた
「、、、、。」
その時、ローもちょうど甲板に出てきて、、、
チラリとこちらを一瞥しただけで、無視されてしまった
はしゃぎやがって、バカが、、、、と彼の舌打ちが聞こえるようだ
うっ、、、負けないんだから、、、
そう思ってみても、いちいち傷ついてしまう
先程の淡い期待は、今日も叶いそうにないようだ
待ち合わせより早く来てしまったようで、まだタウロスさんの姿は見えない
「主人公!上がっておいでよ〜!船の中を見せてあげる!」
ベポが大きな声で、手招きをしながら呼んでくれる
海賊船の中は見たことない
この立派な船の中となれば、是非とも見てみたいが、、、
主人公の見学を、果たしてローが許してくれるだろうか
もう一度ローをチラリと見たが、彼の姿はもうなかった
悩んでいる内に、ベポが船の下まで降りてくる
「どうしたの?早くおいでよ!」