第8章 憎しみの形
「あ〜!本当にうまかった!ごちそうさん!」
「ひっさびさに、うまいメシ食べたな!しかも美人シスターの手作り!もう!最高!言うことなし!」
「主人公って、料理上手なんだね!すごいや!」
三人とも、とても喜んでくれた
たくさん作った筈のシチューの鍋は、すっかり空っぽだ
「フフフ。よかった!あまり、豪華な食事をお出しできなくて、すみません。」
「いや!全然!本当に最高に美味かったよ。」
シャチの満面の笑みから、お世辞ではなさそうだ
「こんな美味しいメシ食べたらさ、船でのメシがクソみてーだな。」
ペンギンが思い出したように、渋い顔をした
「船では、誰がお料理を?」
「順番だけど、ベポは刺身しか出さねーからな。ほとんどオレかシャチが作ってる。」
ローは?と言いかけて、慌てて言い直す
「あ、あの船長さんは?作らないんですか?」
「キャプテン?もちろん、作らないよ。」
主人公の質問に、ペンギンが不思議そうに首を傾げた
「キャプテンは、意外とグルメだな。だから、いつもメシに文句言ってる!チッ、甘過ぎる、とか、辛過ぎなんだよ、クソが。とか。」
シャチがローのモノマネつきで教えてくれた
ロー、昔はすごく料理が得意だったのに、今では作らないのね、、、
キャプテンという立場は忙しいのだろう
自分勝手だとはわかっているが、主人公にとって、あの頃ローと2人でいつも食事を作ってたのは良い思い出だったから、それを聞いて少しだけ寂しいと感じてしまった
その後、お茶を入れ、焼いていたパイを切って、皆でたくさんの話をした
と言っても、主人公はほとんど聞き役だ
彼等は数々の冒険の話を、主人公に教えてくれた
その話は聞くだけでハラハラしたし、ワクワクしたし、時には涙するまで笑ってしまった
彼等は主人公がイメージしていた海賊とは随分違う
ローのハートの海賊団は、何とも自由で楽しそうだ
ローも、そんな風に旅をしているんだろうか
そうだったらいいのに、、、心の中でそっと願った