第8章 憎しみの形
昨日
ベポ達と別れてから、主人公はすぐに船大工のタウロスさんに頼みに行った
『危ないところを助けてもらったので、無理を承知でどうかお願いします、、、船を直してあげてください。』
開口一番に頭を下げた
タウロスさんはキセルを吹かしながら、主人公の目をじっと見た
『先生にはお世話になったからな、その話はやぶさかじゃあねぇよ。』
ホッとした主人公を、タウロスさんは真っ直ぐに見た
『でも俺ぁ真実が聞きたいね。あんたが海賊を助けたい理由。本当にそれだけかい??』
うっ、、、するどい
どうして、わかってしまうんだろう、、、、
何もかも見透かされているようなタウロスさんの眼差しに、主人公は観念したように言った
『実は、、、、。偶然にも昔の知り合いがその船に乗っていました。私にとって大切な人です。彼の力になりたいんです。どうか、、どうかお願いします!』
そう言って、再度頭を下げようとした時、にっこり笑ってタウロスさんは言ってくれた
『おう!任しときな!』
え??
顔をあげた主人公に、タウロスさんは続けた
『あんたはまだ若いのに、いつも、どうも何もかも諦め顔で、それで私は良いんです〜ってツラしてるからな。正直、俺ぁ気に入らなかったんだ。』
そんな風に思われてたなんて、、、正直ショックだ
でも、タウロスさんの言うとおりだった
自分に幸せを望む権利はないと思っている
タウロスはニカッと笑い、続けた
『でも、さっきのあんたの顔は良かったぜ!人間らしい、必死な顔してたよ!あんたの想い人の為に船はちゃんと見てやるよ。』
『タウロスさん、、、。』
泣きたいような恥ずかしいような、久々に胸がとても熱い
『ただ直せる直せないかは、俺も船を見てみねェとわからねェや。今の仕事が明日には終わる。だから2日後に船を見せてくれ。』
この出来事で、、、、
主人公は気付いたのだ
タウロスさんに言われた言葉が、痛い程に胸に染みる
(何もかも諦め顔で、それで私は良いんです〜ってツラしてるからな。)
諦める事に慣れるなんて、私はいつの間にこんな弱虫になってしまっていたんだろう