第8章 憎しみの形
ローを捜して必死で走りまわった
辺りはすっかり薄闇に包まれている
「あら、シスター。こんばんは。」
「どうしたんだい?そんなに慌てて。」
色々な人に声をかけられ、曖昧に挨拶を返しながら、主人公は必死に人混みの中にローの姿を捜した
いない、、、、
背の高い彼なら、遠くからだってわかるだろう
しかし、賑わう通りにはそれらしい人影は見つけられない
ロー、、、!
どこなの、、?!
病院に用事があるのなら
もしかしたら、院長がいる病院の方に行ってるかも、、、
振り返り、来た道をすぐに駆け出そうとした
ガッ、、、!
その時
誰かに腕を思い切り掴まれた
「、、、痛っ、、!」
突然の事に驚く暇もなくがっしりと顎を掴まれ、無理矢理に目線をあわされる
その視線の前には、赤黒く陽に焼けた無骨な男
その大男は、むせるような酒の匂いをさせていた
「おお!これは!こんな辺鄙な島には珍しいほどの美人じゃねェか。」
ここはどうやら酒場の前らしい
男はどう見ても酷く酔っ払っていた
「離して下さい!」
こんな時に、、、!
ローを捜さなきゃいけないのに
「あんた、シスターかい?それとも、そういう格好で男を引っ掛けてる娼婦か?」
下卑た笑いで、男の目線が舐め回すように主人公を見た
「ヒッ、、、、」
ゾワリ、、、
昔の事を思い出し、鳥肌がたった
こんな風に、あからさまに自分を性の対象として見られる事は今だに恐ろしい
「違います!急いでますので、離して下さい!」