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星の舟【ONE PIECE】

第8章  憎しみの形



血をぶちまけたような夕陽に、どこもかしこも真っ赤に染まっていた

本来なら真っ白であろう聖なる教会ですら、今はまるで血塗られたように不気味に佇んでいる


そんな教会の敷地に踏み込むと、礼拝堂は不用心にも扉が開けっ放しだった


この街はよほど平和らしい


ローの大太刀を見て、先程の店主には「大道芸人かい?」と聞いてきた位だ

シャチとペンギンが一緒じゃなくてよかった


一緒だったらきっと笑い死にするんじゃないか、という位に笑われていただろう


まァ、先程の店主しかり、平和な村なら滞在はしやすい

海賊をあからさまに嫌う村ならば、船すらロクに直せないかもしれなかった


船が壊れた事は全くもってツイてねェが、この島があったのは本当にツイてた



そういやァ、この島に辿り着いた事をベポが不思議がってたな、、

あれは、何だったのか



そんなことを考えていたら、礼拝堂から人の気配を感じた

開けっ放しの扉から見えるのは、真っ赤な夕陽にさらされた祭壇



その前には、女が一人

シスターだ

祈っているのであろう



膝まずいて両手を合わせて、こちらの気配にはまるで気が付かないほどに熱心に祈りを捧げている

 

頼りないほど小さい背中


彼女が先程聞いた、【美人で優秀な】医師なのだろうか


あまりにも熱心に祈りを捧げているので、ローは声をかけるのも躊躇われた


―――終わるまで、待つか、、、


コツ、、、


固い石の床に靴音が響き、その音に彼女がゆっくりと振り向いた




スロモーションのように、振り向いたその顔に


息を呑んだ





、、、、、、!!!




一瞬、リリスかと思った




他人の空似、、か

、、、、いや、、、違う





まるで血塗られたように、眩しそうに目を細めているのは、、、、、


確かめるように、歩みを進める

後ろで扉が閉まる音がし始め、邪魔な夕陽が礼拝堂の外に追いやられていく




間違うはずなんてねェ、、、



10年前のあの日から、どんなに忘れたくても、忘れたことなどないのだから



顔を、、、

その顔を見せろッ!





扉が後ろで悲鳴のような音を立てて閉まった時

あと大きく1歩を踏み出せば、、届く



その距離にいたのは

この世で一番会いたくなかった女だった



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