第7章 償いと再会
よくわからない、、、、
首をかしげた主人公に神父様はさらに続けた
「神に祈らなくても、自分が信じるものに祈れば良い。ワシは神様と死んだ妻に祈っとる。神様は姿は見せてくださった事はないが、妻はワシを生涯愛してくれた。その愛は目には見えないが、決して嘘偽りではない。そして、いまでもワシを救い続けてくれとる。」
「そして、妻と出会えたのは神様の思し召しだと思っとるよ。」
神父様はにっこりと笑った
自分が信じるもの、、、
「神様は、それで怒らないのですか?」
「神様はそんなことでは怒らんよ。人同士が身分の違いだと争ったり、殺し合ったりは嘆いたりはされとるがな。」
「だから、お前さんもお前さんが信じるものに祈ればよい。」
人生をそのまま顔に表したかのような、慈しみを湛えた神父様の瞳
主人公はしばし考えたあと、恐る恐る聞いてみた
「、、、死んだおかあさんと、大切な人の為に祈っても良いですか?」
「もちろんじゃよ。神様は主人公、お前の心の中におる。」
笑顔でそう言ってくれ、随分楽になった
神様は、私の中に、、、
ローとHLA型があったとき、奇跡を感じた
その時、確かに私も神様の存在を感じた、、、
だったら、もう一度、どうかローの無事を、、、
一生懸命に神様に仕えれば、いつか祈りは届くだろうか
「神父様。私、教会のお手伝いをしっかりやります。」
そうして、主人公は教会で働くようになった
教会での暮らしは規則正しく、清貧な暮らしをよしとした
清貧で慎ましい生活は決して不自由ではなく、寧ろ与えられた僅かな物に感謝しながら生活する事は、逆に心を豊かにもしてくれた
何より安心して眠れる場所に、主人公は心から感謝していた
1年以上、まともに安心して眠れたことなどない生活だった
最初のうちは、何度も飛び起きベッドの片隅で恐怖に身体を震わせた
その度に神父様は
「ここには神様がおられる。何も怖い事はないよ。」
と、シワだらけの手で頭を撫でてくれた
優しい神父様にどれほど助けられたことか