第6章 嘘
一体、どれくらいの時間そうしていたのか
大海原に、既に船は見えなくなっていた
やがて、ぼんやりとした意識の中で
次に思い出したのは母の事だった
そうだ、、、、おかあさん、、、
母はこの惨事を知らない
世界政府の事が頭をよぎる
帰らなきゃ、、、、
フラフラとおぼつかない足で、家に向かった
見慣れたドアが無残な姿になっていた
ただ事ではないと、まだ呆然としていた頭を何とか働かせ、ゆっくりと家に入る
診察室の奥に黒ずくめの男の姿が目に入り、その男が世界政府なのだとはすぐわかった
やっぱり、ローを探しに来たんだ
ぼんやりしてる場合ではないと、背筋に冷や汗が流れる
音を立てないように、慎重に進むと
「では、死ね。」
耳を疑う言葉とともに、今まさに男が銃口を母に向け引き金に手をかけているところだった
頭が真っ白になる
ダメ!!!
「やめてーーーーーー!!!」
ドギューーーーーン!!!
耳をつんざくような音が聞こえたのと同時に、気が付いたら飛び出していた
「おかあさん!」
男に体当たりすると、少しだけ男がよろけた
そのまま母に駆け寄ろうとした時、
スロモーションのように
ゆっくり
母が降ってきた
そして、そのまま主人公に覆い被さる
「おかあさん!?」
火薬の匂い
遅れて、血の匂いが鼻をつく
「主人公、、、、」
返事があった事に安心する
おかあさん!
ローとコラソンはちゃんと逃げれたよ!
だからおかあさん、一緒に逃げよう!!
匿っていた私達も、連れて行かれちゃうんだって
だから、早く、、、
安心したのも束の間
倒れ込んだ母は胸を抑えていた
その手から、静かに流れ出るように滲んでいるのは血
ポタ、ポタ、ポタタ、、、、
瞬く間に赤い斑点が床に散らばる
まるで血の雨のようだ
う、、、そ、、、、