第6章 嘘
自分を含め、誰しも自分の大切な者を守りたいだけなのだ、、、、
本能で子供を守るのは親として当たり前だ
リリスが育ったあの、人を人とも思わない人種からすればなんて人間らしく慈しみ深い感情なのだろう
主人公が産まれた時、世界中の全てを敵に回してもかまわない程に溢れた愛に感動したのを思い出す
同時に自分にも、こんな当たり前の感情があってよかったと、、、心から安堵したものだ
「気にしてないから大丈夫です。良いお父さんね。」
自分の夫が失礼な事をしたことに対して、リリスが怒っていない事がわかると妻はホッとした表情だ
「では、お大事に。」
そう言ってリリスは、若い夫婦の家を後にした
帰路に着く途中
リリスは村の様子に、違和感を覚えた
いつも穏やかな村なのに、なんだかバタバタと慌ただしい
リリスの姿を見つけると皆一様に、慌てて家に入っていく
避けられるのは慣れているが、なんだか皆が必死なのは気のせいではない
まるで死神に、命でも取られるんじゃないかという勢いだ
そう、村人の顔には明らかに恐怖が宿っていた
一体、どうしたのかしら、、、?
そこに、すごい形相で村長がやってきた
「おい!リリス!お前、よくも騙してくれたな!」
その顔は、怒り心頭で真っ赤になりまるで茹でタコのようだ
「村長さん。なんのことです?」
わからず、聞き返す
「とぼけるな!泊鉛病のガキのことだっ!!」
リリスの顔色がさっと変わる