第6章 嘘
海を見ると、確かに世界政府の旗を掲げた船が肉眼でも沖に見えた
ゆっくりと、でも確実に段々と大きくなるそれは、確かにこちらに向かって近づいてくる
こんな時なのに、憎らしいくらいに青く澄んだ空も穏やかな波の海も美しかった
やって来るのは、大切な人をこの世から排除しようとする死神なのに
ガタガタと身体の震えが止まらない
っ、、、、!!
もう、こんなに近くまで、、、!!
これだとあと、30分もしないうちに島についてしまう
急がなきゃ、、、っ、、、
グズグズしてる暇なんてない、、っ!
頭ではわかっているのに、身体が石みたいに動かない
ローが、、、ローが、、、殺されちゃう、、、
その恐怖が主人公の身体を支配していた
1年前に目の前で救うことができなかったウェズン
嵐の中、去ってゆく彼の背中を思い出した
またあんな風に、、、、
何もできないなんて嫌だ、、、、、、、
身体中を支配していた恐怖は、嘘みたいに去ってゆき、、、、やがて強い思いに変わった
ローを、、、、コラソンを、、、、
2人を、助けなきゃ、、、、、!!!
いまだ震える足を叱咤し、数歩踏み出す
それから主人公は、家に向かって全速力で駆け出した