第2章 年中行事~ハロウィン~
どうも。出来上がった衣装(トリガー)を栞ちゃんから渡され、どんな衣装になっているのか怖くてたまらない僕です。
正直起動したくない。でも後輩たちの期待と、折角作ってくれた栞ちゃんに答えたいので仕方なく起動します。
(時には諦めも肝心だよね!)
もう開き直って思いきってトリガーを起動する。
不思議な光に包まれた僕の体はトリオン体に換装する。
「「...」」
「おぉ~いいね~」
「でしょでしょ!普段優しくて天使でかっこいい明希ちゃんが、この衣装着たら破壊力ヤバイだろうなって思って!この日まで暖めていたのだよ!」
「宇佐美ナイス」
後輩たちの黙りと悠一の反応に温度差があって反応し辛い。
近くにあった姿見で自分の格好を見る。角つきフードのコウモリモチーフのパーカー、黒のショートパンツ、足はスパイダー柄ストッキングとゴツめのレースアップだ。
パーカーが大きくてダボッとしているせいで、ショートパンツは見えなくなっている。
まぁ、要するにコウモリの仮装だった。それはいい。それはいいけど....
「何でパーカーのチャックが大きめに開いてるのかな?」
「だって明希ちゃん、イイモノ持ってるじゃん!同じ女子としては羨ましい限りだよ!」
「普段どこ見てんのさ!もうちょい閉めてよ!」
「だが断る!このあと小南のも作る予定なの!」
「明希、諦めなよ」
「そんなぁ...」
正直編みタイツじゃなくてホッとしているけども、胸元のチャック開きすぎだし、ストッキングってほとんど生足と変わらないよね。今すぐ私服になりたい。
「そんなに落ち込むなよ。その仮装似合ってるぞ」
「そうだぞアキ先輩。オサムはまだちょっとアレだけど、俺達も似合ってると思うぞ。なぁ?チカ」
「うん!普段と違うから、少しドキドキしますけど、とても似合ってますよ!」
ちびっこ2人からの励ましで僕もこの仮装を受け入れることが出来そうだ。
「2人ともありがとう」
そう言って頭を撫でてやれば2人とも気持ち良さそうに目を細める。癒されるわぁ。
「よし、それじゃ本部に行こうか!勿論、この格好で!」
「えぇ!?」
「反論は聞かない!強制だからな!遊真達もおいで。良いもの貰えるよ」
悠一に強制連行されながら、僕らは支部を後にした。
いっその事シュウと代わろうかと考えたが、そのシュウに「絶対嫌だ」と断られた。悲しい。