第17章 来訪者
明希視点
「栞ちゃーん、こっち終わったよー」
[お、明希ちゃん早いね〜。もう少しで修君達も終わるからそこで待機してて]
「了解」
今日は玉狛第二のみんなと防衛任務に就いている。久々に可愛い後輩たちの頑張ってる姿が見れると思うと、もう嬉してく嬉しくて。朝からみんなにハグしちゃった()
近くで1番高い建物に登って修君達の戦闘を見守る。
(みんな強くなったな〜♪少し前までヒヨコみたいな感じだったのに、子供の成長は早いな〜)
なんてのんびりとしている時だった。近くで再び門が開いたと情報が入る。直ちに現場へ急行するとそこに門はあってもトリオン兵の姿はなかった。
「藤咲現着。門は確認したが対象は見当たらない。栞ちゃん近くにトリオン反応ある?」
[ちょっと待ってね…あ、あれ?]
「どうしたの?」
[トリオン反応じゃなくて、生体反応があるんだけど…もしかしたら人型近界民かもしれないから気をつけてね]
「了解」
生体反応のマークを支持してもらってそこに居るであろう人を探しに行く。
物陰から顔を覗かせて目的の人物を見ると、何処と無く見覚えのある人が立っていた。
「ヴィザさん…?」
「!…これはこれは、お久しぶりですな、お嬢さん」
「あ、はい、お久しぶりです…?それよりどうしてここに?トリオン体じゃないようなので戦闘の意思はないとお見受けしますが」
「左様でございます。今日はお嬢さんに会いに参りました。急なことで申し訳ございません」
そう言ってヴィザさんは深々と頭を下げる。そんな事通信手段がないんだから気にしなくてもいいのにと思いつつ、顔を上げてもらって今は任務中であり、任務が終わり次第玉狛まで案内することを伝えた。
「ヴィザさんが約束を覚えててくださって嬉しいです♪」
「私もです。お嬢さんが変わらずお元気そうで何より。ヒュース殿もお元気でしょうか?」
任務中だと言うのにこの和やかさである。緊張感なんてどこにもない。
程なくして任務が終わり、玉狛第二の4人と合流すると驚いたり「ほぅ…三3三」と言ったりなど、それぞれの反応がとても面白かった。
これは支部に連れて行った時のみんなのリアクションが楽しみだなと、密かに楽しみになっていた。