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モデルのボーダー隊員~番外編~

第4章 年中行事〜大晦日&正月〜


12月29日

年が明ける三日前、僕ら玉狛支部隊員は大掃除に勤しんでいた。

各自の部屋は勿論、お風呂場・リビング・トイレだけでなく、普段使っている所や滅多に使わない空き部屋など、支部内のありとあらゆる場所を総出で掃除している。
ただし、キッチンは主にレイジさんと僕のエリアなので、ここは二人で掃除してしまう。ここは後でお節やお正月料理を作る為、何処よりも丁寧且つスピーディーに終わらせる。

「一通り終わりましたね」
「そうだな。少し休もう」

そう言ってお茶を入れてくれるレイジさんは、本当に玉狛のお母さんだと思う。
レイジさんの入れてくれたお茶を飲みながら、次の作業の説明を受ける。
今日は掃除だけで半日かかったため、作るのは明日から。今日は冷蔵庫のチェックをして、足りない物を買いに行くそうだ。
因みに作る物は、レイジさんがお節、僕がその他お正月料理を担当する。
ここには育ち盛りの学生が多いのと、偶に本部の友人達が遊びに来る(ご飯目当て)らしいので、多めに作る必要があるのだとか。
腕がなるなぁ♪

「藤咲、早速買い物に行くぞ。冷蔵庫のチェックは済んでるな?」
「はい!」
「よし、それじゃあ行くぞ」

レイジさんの車に乗って市内の大きなデパートに着く。車内での擦り合わせはすぐに終わり、倍買う物はしっかりメモした。

商品の品定めはレイジさんが、カートを押したり買う物を読み上げるのは僕がした。
会計で一万超えていたのは仕方ないと思うの...。

「結構買いましたね〜。毎年こんなに多いんですか?」
「いや、そうでも無いぞ。今年は新入りが四人いるから、いつもよりは二袋多いな」

と言う事は、今でも八袋だから毎年六袋!?うわぁ、そんなのレイジさんしか運べないし、調理出来ないわ。ホント尊敬します。

帰宅し、買った物を冷蔵庫やら棚やらにしまい、そろそろ掃除を終えて戻ってくるであろうみんなのために、温かい葛湯を作る。
丁度葛湯が出来たところでみんながリビングに戻って来た。

「掃除終わったよ〜」
「あー疲れたぁー。明希〜癒して〜」
「温かい葛湯出来てるからそれ飲んで暖まってね」
「やった♪明希大好きよ!」
「ありがとう。僕も桐絵の事大好きだよ」

みんなに葛湯を渡して、僕とレイジさんもみんなに交ざって団欒する。


年が明けるまであと二日。
玉狛支部は今日も平和だ。
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