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【NARUTO】柔らかな月を見上げて

第29章 始まり


あれから1か月がたった。カカシは本調子に戻り暗部任務を日々軽快にこなしている。

私はサスケくんの護衛に戻り、アカデミーの休みの日は暗部の任務にもついた。



「おはよう」

毎朝お迎えが私の日課。暖冬だろうか。肌寒い程度で今日も天気がいい。明るい日差しがそそぐ。

「ああ」

サスケくんは一言発して私を通り越して行く。どこぞの重役だろうか。いや、ただの7歳児だ。

「今日も元気そうでよかった。よく寝れた?」

「……母親ヅラすんじゃねーよ」

ぶっきらぼうに言われた私は、「ははは……」と困ったように笑った。

いつもながら辛辣な一言で。気を取り直して、私は小さなサスケ君から離れないように横を歩いた。

うちは一族がほぼ絶命した事は他国にも知れ渡り他国との多少の混乱はあるものの、普段の任務の依頼は増えている。

カカシを名指しで指名する大名様も最近は出てきている。暗部隊長だが、一国を代表する忍となっていた。


うちは事件以来、三代目ヒルゼン様は、サスケ君のために、週に2回程度のカウンセラーやら精神科医を専属につけている。

長い時間がかかるだろう。
簡単に彼の傷を癒す事はできない。


サスケくんは
ほとんど笑わなくなった。

「……」

何か力になりたい。そうカカシに相談しても、「そっとしてあげたら?」と言う。「話したくなったら、自分から話すでしょ」と付け加えて。

これはアイツ自身が、自分で
乗り越える試練なんだよ。

そうカカシは話した。





サスケ君が本音をいえる誰かが、必ず現れてくれることを……私はずっと願っている。


それまでは……
私がそばにいれたら。

そう心から思う。



「花奏」

「はいはい、なんでございますでしょうか」

「なんだよ、その言い方。修行。今日も付き合え」

毎日の日課である。手裏剣投げやら術の練習やら。もう私はサスケくんの専属コーチみたいで。

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