第29章 始まり
「よくもサスケ君をやってくれたわね!」
女の子達が殺気立つ。湯気が出るほどの鬼の形相だ。クナイや手裏剣を震えながら持っている。
「許さないんだから!!」
「あーもうー、ボク腹減ったよーーー」
いちばん大柄でぽっちゃり体型のチョウジは巨大な丸太を持つ。自分より大きな丸太を軽々と持っている。
「なあ、チョウジ、この敵を倒したら三代目が焼肉奢ってくれるらしいぜ。…へへ」
シカマルがニヤリと笑いチョージに並んだ。チョージの目が光り輝く。バットみたいにブンブンと丸太を振り回している。余裕がある。
「お、おい……」
敵の行手を徐々に遮り囲い込む。へたり込んだ敵は尻餅さえ突いてしまう。
「あ、ああ危ない。やや、ややめろ!」
手を左右にブンブン大きく振った。先ほど顔面強打した負傷した鼻を押さえ、戦意喪失している。
「わかった!!おい、だから丸太はやめろ!あと、クナイも!危ないぞ!」
敵の慌てふためる姿を見ても、シカマル口角を上げて、合図の手を挙げる。
「さっきのお返しだぜ、敵さん。おい、みんなやっちまえ!!」
非情の号令に合わせて、強烈なボールが敵に勢いよく飛びまくる。トドメの丸太が顔面直撃したときだ。
クリーンヒットした敵は、悶絶して地面で丸まって顔を押さえ、そのまま白目をむいて気を失った。
「へへーん!やったってばよーー!!」
敵に勝ち、雄叫びを上げて
ナルト君が喜ぶ。
凄い……。
本当に敵を倒してしまった。
私はふぅとため息を吐いた。
敵が無抵抗になった頃、総攻撃の輪の中に入ったのは、戦いを静かに見守っていた、イルカ先生だ。
「よーし、お前ら上出来だぞ!この敵は降参らしい」
イルカ先生は完全に無抵抗になった敵を
縄でしっかりと縛りつけた。