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【NARUTO】柔らかな月を見上げて

第29章 始まり


「ギャハハハハ!待ってましたぁーー!オレってば、オレってば!いっちばん得意な種目だってばよー!!」


自信満々で高々にとなりで笑う。
太陽の光で輝く白い歯。

「やればできる男ってのはぁ、オレ様のこと!うずまきナルトだってばよ!」


ナルト君が親指を
自分の胸にビシッと当てて
ポーズを決めた。

なんとも勇ましい。

「やってやるってばよ!」

どや顔で前へずんずん
スタート地点へ歩く。


「おーー、ナルト威勢がいいな。では、お前がいちばんに投げてもいいぞー」


イルカ先生は笑顔で準備する。
両肩に大きな荷物を担いだまま、グランド中央を歩くのだ。

どすん、どすんと、大きな音を鳴らして、地面に置いてゆく。重量ある振動が伝わってくる。


置いたモノは丸めた筒状のマットだ。それにヤスリで削った丸太。

イルカ先生は
グランド中央に均等に並べた。

それから
網状のネットを広げる。

縦横10メートルほどの緑色の網で、
綺麗に整えて端4点を釘で固定した。

イルカ先生は
まだ準備を続ける。

野球に使う木製のバットを
地面に置いたのだ。

みんなは身を乗り出している。
先生を凝視する。

さらに
進むこと10メートル。

15メートルほどに成長した桜の大木の枝に、円状のマトを吊るした。

冬の桜は落葉して葉がない。

枝に吊した円状のマトの中心部には、
赤い丸が印す。

授業や修行で長年使い込んだ跡が
無数に残っていた。

イルカ先生は準備を終えたようだ。手についた砂をはたいて、スタート地点に戻った。


「もう一度おさらいだ。スタート地点から走ってマットや障害物を乗り越える。最後にマトへ投げてゴールだ。障害物競走みたいなもんだ。しっかり頑張るんだぞー」

イルカ先生は、ラインカーをひく。下方から石灰の白い粉がグランドに落ちる。カタカタと揺れながら軽快な音が鳴った。

「よし!じゃあ始めるぞー」

先生の声に合わせて
「はーーい」と返事が
生徒の輪から戻った。

意気揚々とテストを喜ぶ生徒もいれば、やる気をなくしたと、空を見上げる少年もいる。

女の子の九分九厘は、サスケ君を熱く見つめる。華麗な姿を期待する♡マークの視線だ。


私は静かにスタート地点から
大木まで眺めた。

約50メートル前後だろうか。

結構……しんどい。


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