第29章 始まり
授業が進み
4時間目に突入した。
「ーーったく、まだ4限かよーー。あーー、クソめんどくせーなー」
超ダルそうなシカマルが
樹木に身体を任せる。
頭脳優秀な少年。
授業に1番重要な
やる気が出ない。
なんてことだ。
「……もうーー、シカマル、ちゃんと授業を受けた方がいいよー?イルカ先生がまた怒るよー?」
私が腰に手を当てて
寝そべるシカマルに声をかけた。
まだベルはなってない。あと数分で授業が始まる。みんな三角座りして集合してるのに。
どうして規律を乱すのか。
春には、この子達の副担任を私が受け持つのに。大丈夫なのか。超責任重大な気がする。
はぁぁー
大きなため息をついた。
シカマルが。
「花奏はオレの母ちゃんかよ。いーんだよ、やらなくても。ダリーし、めんど……、!!!…い、いや、……行くわ」
シカマルは、真顔に変わり、すぐさま立ち上がる。そのまま、みんなの集まる場所へ走って駆けた。
……ん?!
後ろを振り返った。
「……なーんだ」
完全に気配を消していたのだろう。真後ろにいたのは、腕組みしてニヤリと微笑むアスマと、親友の美女が遠くの生徒たちを見定めていた。
「あら久しぶり。来ちゃったわ。今日たまたま待機でね、花奏の姿が見えたから」
「あ、紅!」
見上げて、そばによる私を
紅は口もとを覆い、我慢し切れずに吹き出した。肩が震え出す。
「あははは!なにこれーー、花奏ちっさーい。かわいーー」
く、悔しい。面白おかしく、ガシガシ頭をなでる手をはらった。コノヤロウ。
「コレは仕方なくて!」
なんて言い訳してると、アスマが生徒たちに、
目を細めて見つめる。
「ーーで、アイツか。例の少年は」
アスマの目線の先にいる少年。
凛とした横顔。艶のある黒髪。背負うは、うちはの家紋。頭脳明晰。弱点はあるのだろうか。
料理や洗濯、洗い物や片付けなどの家事は、すぐに覚えた。宿題もすぐに終わせる。私はただ見てるだけ。
サスケ君を見ながら、答えた。
「うん。強くなるよ。私より遥かに上にね」