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【NARUTO】柔らかな月を見上げて

第29章 始まり


「サスケくん、なにか困ったら、すぐに誰かに助けを求めるんだよ?変なひとについていかないように。変態はいっぱいいるからね。外は危険だからね」


「はぁ?なに言ってんだよ。女じゃねーよ、オレは」

「いや、そうだけど、サスケくん可愛いから、それに才能があるし、色々危ないの」

「……可愛いとか言うな」

サスケくんが舌打ちして、スタスタ先を歩く。逆鱗に触れた足音で。怒ってしまった。

「ちょ、サ、サスケくんッ」

追いかけて歩こうとすれば、
足に、なにか絡まる。

「ニャア」とスリスリと柔らかな白い毛並みが膝に触れるのだ。足もとでくるくる8の字に動く。

「あ、ニャンちゃん」

動体の脇下を抱えて、抱っこした。あたたかい体温が気持ちいい。しかも軽い。パックンと同じぐらいの重さかな。

「元気にしてた?」

久しぶりに再会した。白猫が私の頬に自分の顔をすりつけて、甘えてくる。愛らしい姿に顔が緩んだ。

「ふふ、可愛い」

髭が当たる。こしょばい。


すると黒髪が視界に入った。

「お前……久しぶりに見た」

サスケくんが戻ってきて、じゃれる猫の頭をヨシヨシとなでた。白猫は気持ち良さそうに目をつむる。撫でられるのが好きなようだ。


「……ん?…ひさしぶりなの?」

「ああ」

サスケくんが話すには、私が任務に出た日から、ぱったり姿を見せなかったようだ。2週間ぶりだと言う。


「どこか、……怪我してたのかな?」


身体中を見ても切り傷はない。顔色も悪くない。普通に元気そう。


私が顔を傾けて見つめると、
胸に自分の体を任せた。

下ろそうとしても嫌がる。抱っこして欲しいみたいで、私から離れない。


「まあ、野良ネコだし。自由気ままに過ごすのが普通だし」

白い綺麗な毛並みの背中をなでた。

「ね?」と私が笑うと、「にゃぁ」と鳴く。なんとも愛らしい。うーん可愛い……。やはり忍ネコにしようかな。ふつふつと欲望が膨らんだ。

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