• テキストサイズ

【NARUTO】柔らかな月を見上げて

第8章 闇


カカシは、暗部ろ班隊長だ。

本当のことを言えば、花奏の相手をしている場合ではなかった。


この役は、本来ならば、別の人間に、イタチやテンゾウに、任せなければいけなかった。

暗部隊長ならば、ビンゴブックに載る男を追い、とどめを刺し、反逆者を突き止める必要があった。

カカシは、「髪一本たりとも、だれにも、触らせたくない」そう思った。

花奏に、だれかが触れると思うだけで、おぞましい。

想像するだけで、生魚を首すじにつけられたような気持ち悪さがあった。



カカシの行動は、
私情を挟むものであった。


ろ班隊長として、三代目に報告し、
対策を練るのが、先決だったのだ。


だが、カカシは頑として、
首を縦に振らない。

なにがあっても、

いまだけは、
苦しむ花奏の、
そばにいてやりたかった。

例え、それが今まで積み重ねてきたキャリアや、信頼を失うことになろうとも、そばにいてやりたかった。

「……花奏」小さく名を呼んだ。
愛しく、優しい気持ちで。


/ 561ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp