第29章 始まり
「金は天下の回り物。火の国から破格の報酬を得ておる。本当は、ワシが最前線に立ち、戦わねばならなかった。命がけの任務じゃ。それなりの対価報酬は受け取る権利がある」
猿飛さまが優しい口調で
笑いジワを作った。
「暗部は誇り高きプロ意識を持つ。後輩や部下の為にも、ちゃんと受け取れ」
私とカカシは、その言葉に頷き、
笑顔で感謝を伝えた。
「わかりました。謹んでお受け致します。ありがとうございます」
のちにわかった事がある。
暗部全員に半年分のボーナスが支給された。しかし。その一部は猿飛さまの給料分から支払われていた。
一年間。猿飛さまの給料は
無給だったと、
後から知ることになる。
問いただした際、猿飛さまは、私たちに向けた時と同じような笑いジワを作った。
「責任取るのが上司の役目じゃ。今までの過ちを消すことはできん。ワシなりのケジメじゃよ」
その日も禁煙されていた。
私の身体をきづかう為だと
後から知った。