第28章 お弁当
「あーーあーー、イルカ先生ってばよー、オレ、チョーーー腹減ったってばよー!サスケー!行くか行かないか早く決めてくれってばよーー!」
腹が鳴るナルトは
口を尖らして砂利を蹴った。
「ああ、ごごめんね、ナルト君。サスケくん、あの私ね」
夕食にお弁当を作って……
そこまで言って私の目がむく。
いないのだ。
さっきまでアパートの階段場所にいたのに、忽然と姿がない。
「サスケくん!?」
あれ?!周りを見渡すと、商店街の方角に走り去るサスケくんを私は見つける。
え!?なんで走るの!?ていうか話聞いてない!?
「い、イルカ先生!あの、サスケくんのことは私に任せてください!追いかけます!来週からまたよろしくお願いします!」
早口で挨拶して、
ダッシュで走った。
「え、は、はい!」
「来週?イルカ先生、どういう意味だってばよ?」
ナルト君、気づいてない。
あー良かった。
「ナルト、お前に関係ない話だ。ほら、飯行くか!」
「っ!よっしゃぁあ!!やったーってばよ!一楽!一楽!」
イルカ先生と喜ぶナルト君の声を背中で聞きながら、サスケくんを私は追いかけた。