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【NARUTO】柔らかな月を見上げて

第28章 お弁当






「……カカシ、私すこし出てくるね」


タッパーに詰めて、袋に入れたあと、カカシの寝床に声をかけた。


「….…花奏、ん、どこ行くんだよ」

身体を起こして欠伸するカカシ。寝癖がぴょんと小さく跳ねる。私は笑って荷物を机の上に置いて近寄った。


「ふふ、凄い髪型だよ?」

ふわふわの銀髪が可愛い。耳元で跳ねる寝癖。みんな知らないんだ。無防備なカカシを。

「サスケくんにね。夕食作って持って行こうと思って。ついでに来週から護衛再開することも伝えてくるね」

ベッドに腰掛けて手で髪を触れても、カカシはされるがまま。クスクス笑った。
おかしい。



「サスケならイルカ先生が面倒見てくれてるでしょ。大丈夫でしょ」

カカシの口が小さくとがる。目も下にむく。不機嫌そうな顔だ。なんでだ。


「私もそう思うんだけどさ、やっぱり7歳だし、なんか気になってさ。行ってくるね。すぐに帰るから」


瞳が、かち合う。腰にカカシの手のひらが添える。ゆっくりと彼の顔が近づいた。


「カカ、シ…」

「ダーメ。キスしてから」

「…ぅ、うん」

私はもう
タイミングを知っている。
今から
なにをするかも分かってる。

自分の口もとが緩んでて、唇が重なる瞬間に瞳を閉じた。


小さな水を含んだ音が寝室で響く。

私の好きなひと。キスを交わすだけで
心が跳ねるほど嬉しい。笑顔になる。
火照るほど喜んでしまう。

「カカシ……ん…首は…」

首や鎖骨に唇を合わせて
印をつけていくのだ。

目立ってしまうのに。もう。



唇をはなした表情は、私を優しく見つめて、それからため息が出た。なんでだ。



「…お前ねぇ」とカカシ。

「他の野朗に絶対その顔見せちゃダメだからな。緩みすぎ…あと」


そこまで言って、私の後頭部をカカシは引き寄せる。耳元で囁く。

「オレを誘い過ぎ。帰ったらしよ、な?いっぱいさせてくれるんでしょ?」

「………ぅ、うん」

なんでYESって言っちゃうの私は…。顔を真っ赤にした私を、カカシは満足そうに微笑んで、もう一度口づけした。くっきりと愛の印を首につけて。

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