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【NARUTO】柔らかな月を見上げて

第27章 退院後


「…花奏…」

昼食後。ベッドの端に背をもたれかかり、コーヒーを飲んで、まったりしてるときだった。

ベッドで寝転んで読書していたはずのカカシが、私の肩に手を回して、抱きついたのだ。

「花奏、ねえ、かまってよ」

「ちょ、ちょっと」

カップのコーヒーが
こぼれそうになる。

あ、…あぶない。

半分以上飲んでて
よかった。

「もぅー……カカシ、どうしたの?」

カップを丸いテーブルに置いて
座ったまま、顔だけ見上げた。

ベッドから見下ろした
カカシの眠たげな瞳が
かち合う。

「…花奏……」

なにかを訴える目で
じっと私を見ているのだ。

「……カカシ?」

私の肩に絡まる力が
ぎゅっと強まる。

「昼飯ね、美味かったよ。また作ってよお願い」

私の頬に、大きなあたたかい手のひらが重なる。私の顔に影ができる。

綺麗な顔が近づくから、
薄く瞳をつむった。

そっと柔らかな唇が重なる。

しばらく甘えるような口付けを
かわした。

「…ふふ」

長いキスを終えると、
愛しげに目尻が下がってて。

「毎日……たべたいね、ダメ?」

銀髪が頬に当たって
くすぐったいのだ。

「ふふ…いいよ」

私はクスクス笑ってる。

身体をひねり、
カカシの方を振りむいて
彼に手を伸ばした。


ベッドの上にのぼった私は
カカシに抱きついて、
胸元に頬を押し当てた。

「毎日作ってあげる。奥さんになるんだから、当たり前だよ」

「ホント?なんか…楽しみだな」

大きな身体を密着させて
私は身をゆだねて微笑んでいた。

カカシは私の作った料理を
ペロリと全部食べてくれた。
すごく嬉しかった。

だれかに料理を作って
美味しいって言ってくれたら
それだけで満足で。

カカシは和食好きかな。
いっぱい作って正解だったな。

夕食も茄子の味噌汁にして、夜ご飯は、玉ねぎとお肉を炒めようかな。

ーーなんて考えていた。

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